中古住宅を買う場合に、借家人が住んでいる家は、十分に注意することだ。地上げ屋の放火、いやがらせに見られるように、借家人を追い出すことは、ほとんど不可能に近い。私の友人で不動産業を営んでいる男が、競売物件を借家人付で三五〇〇万円で落札した。さっそく退居してもらって、販売しようと立ち退きの話を持っていったところ、永久に借りている、先代とはそんな約束だった、という。長年住んでいて、落札前の所有者は息子の代になっていた。
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話し合いはつかず裁判となってしまった。結果は友人の負けであった。二年に一回の更新契約書もなく、退居請求の正当な事由がないことも大きなマイナスであった。個人で購入して、住む家がないから、早く立ち退け、という場合、訴訟で有利に働くことが多いが、転売するのでは全く不利である。最終的には、3DKのマンション、三〇〇〇万円相当を無償で与えて出てもらった。借家人が借りていた一戸建て平家と同じ広さを要求したためである。借りている人の方が強いというのも変な法律であるが、現在のところ手の施しようがない。借地・借家法の改正がない限りはだめだ。友人は結局、六五〇〇万円で落札したのと同じになってしまった。しかし、これを七〇〇〇万円で売りに出したところ、都内、駅から一〇分、六メートル道路面の、高級イメージの住宅地ということで、一七坪の土地にもかかわらず売れてしまった。金利と諸費用(含裁判)を入れてトントンであった。これも史上空前の地価高騰ブームがあったから七〇〇〇万円で売れたのであって、もし、地価高騰ブームがなかったら、大損したところだった。プロの業者でもこのように失敗する。