ほとんどのマンションは、一年か二年の輪番制で理事会の役員を選んでいる。短期間で入れ替われば、多くの住民が管理業務に触れられる一方で、長期的な視野での準備が滞る怖れがある。そこで建物の維持管理や修繕積立金の運用などロングスパンでの対応が求められる分野には[委員会]を設け、住民の専門家や理事経験者の委員が議論し、理事会に助言する形が増えている。理事長にとって、理事会や委員会との連携は欠かせない。「なるほど。
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マンションは、じぶんたちのことをじぶんたちで決める自治の組織だなあ」と、理事長はつぶやき、わがマンションをふり返った。くすのきハイツは、自主管理体制を敷いている。ただし自ら望んだのではなく、管理を委託していた管理会社が倒産して、やむなく選んだ方法だった。「事務管理業務」のうち出納・会計を除いた仕事と「管理員業務」を管理人に任せていた。お金に関する業務は会計事務所と契約を結んでいる。管理人は、集会の運営にも精通しており、歴代の理事長も頼りきっていた。理事会は、理事長就任と同時に八名の理事のうち四名が新顔に入れ替わった。いままでのようにみんなで話し合っていけばつつがなく任務をまっとうできるだろう、と理事長はマンション本を閉じ、寝床についた。