朝日新聞が国交省や管理会社への取材でまとめたところによれば、〇三年以降、国交省が把握しているだけでも、修繕積立金の横領が三三物件、被害総額十二億円にのぼっている。ずさんな口座管理は住民側にも責任があるが、口座開設やお金を振り込むしくみそのものが、じつは管理会社寄りにつくられている。ここに横領と管理業者不信の病巣がある。そもそもマンション購入時点で、住民の資産である「修繕積立基金」や「管理準備金」を分譲会社の口座に振り込むことがまかり通っているのだ。
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これらの基金や準備金は、管理組合が月々の修繕積立金、管理費を蓄えていくためのプール金といえる。分譲会社に払うべきものではない。それが分譲会社の口座に販売代金などと一緒に振り込まれれば、運転資金に流用してください、と頼んでいるようなものだ。事実、不況下で分譲会社が倒産し、基金や準備金が管理組合口座に移管されないケースも現われている。なぜ、販売代金も基金や準備金も一緒くたに入金されているのか。マンション管理新聞(〇九年七月五目付)は、次のように報じている。「分譲会社は『購入者の手間を省くため』とする。購入代金や登記費用などと一緒に払い込めば、確かに簡易に済むが、購入代金や登記費用等と、修繕積立基金や管理準備金は性質が違う。基金等は、管理組合の資産なのだ。それが一度は『他人』の手に渡っているのだから、何らかの保全措置等が講じられてもよい。しかし基金等の取り扱いについては、国土交通省もマンションデベロッパーらで組織する(社)不動産協会も『特段の定めはない』。例えば手付け金であれば宅地建物取引業法に基づく保令措置があるが、基金等については定めはない」国交省が策を講じないところに、むしろ問題の根の深さが感じられる。デベロッパーは基金や準備金を囲い込んでおきたい理由があるのではないか。たとえば、それを資産と見せかけ、担保にして融資を引き出すとか……。積立金や準備金は管理組合口座に振り込む。当たり前の規律が求められる。