「わが家の耐震診断」は、建築には素人である一般の人にもやってもらえるように意図したつもりです。しかし、じっさいに試された方の評価はほとんどが「むずかしい」ということでした。それは、専門家のあいだではとうぜんの前提となっている「約束事」でも、一般の人には知られているはずがないことを、わたしを含めた専門家側は認識していなかったということです。たとえばこの診断法では、壁率は梁間方向と桁行方向とで、別々に計算することになっています。
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いちおうそのような説明もしてはあります。これは、耐震設計するときほとんどすべての建物で、このように分けて計算しているからです。短手方向・長手方向、南北方向・東西方向あるいは?方向・Y方向とすることもあります。いずれにしても、その建物を平面の直交座標にのせたとして、二方向別々に耐震計算をするわけです。これは一種の約束事で、建築関係の学校で構造力学を習った人は、最初からそのように教えられているのでとくに疑問を感じません。しかし、一般の人はそんな建築の専門家のあいだだけの約束事など知りません。