改革案を受けて、二〇〇二年度の予算概算要求では、住宅公庫の縮小が盛り込まれている。監督官庁の国土交通省では、次のように見直しを進めることにしている。(1)事業規模の縮小=年間戸数五〇万戸(二〇〇一年度当初目標五五万戸)、金額八兆一四四二億円。(2)融資率の上限の見直し=現行では一定の収入基準を満たせば、住宅価格の一〇割まで融資できるが、年収八〇〇万円以下の場合は八割まで、それを超えた場合は五割までしか融資できないように改正された(ただし、住宅債券つみたてくんを積み立てている人は八割まで)。(3)特別加算額の減額=現行では一戸あたり八〇〇万円につき最大四五〇万円加算されるが、今後は四〇〇万円につき二五〇万円が上限となる。(4)返済困難者に係る特例措置の拡充=適用期限の延長と元金据え置き期間の拡充など。(5)住宅ローン債権の証券化市場の拡充=公庫の住宅ローン債権証券化の規模は二〇〇〇年度で約二〇〇〇億円だったが、これを二〇〇二年度には四〇〇〇億円にまで拡充する。民間の住宅ローン債権の証化支援の検討。などである。住宅公庫廃止論の根拠は、「財政負担増」と「民業圧迫」の二つである。今回の概算要求は、この二つに配慮して、住宅公庫の事業を縮小することで、結果的に民間ローンを活性化させることを狙ったもの。むろん、廃止などまったく視野に入っていないが、少なくとも現状のままとどまることはありえないという判断に基づいて、民間との共存を目指していこうとしていることがうかがえる。
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